Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

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2010年7月27日開催 Web広告研究会7月月例セミナーレポート(2)日本のスマートフォン向け広告市場の現状と実例紹介 イベント報告

  • 掲載日:2010年8月27日(金)

(前ページ)2010年7月27日月例セミナー第一部

第二部「日本のスマートフォン向け広告市場の現状と実例紹介」
パーソナルメディアとして利用され始めたスマートフォンの可能性



アドモブ株式会社
セールスマネージャー
藤沢 聡明氏


第二部では、藤沢氏がスマートフォンマーケティングの可能性について、アドモブの数値や事例などをもとに解説を行った。全世界でスマートフォン向け広告 ネットワーク事業を展開しているアドモブの調査によれば、2010年に入り日本ではiPhoneとAndroidのトラフィックが急速に伸び、2009年 6月の月間インプレッションは約3000万であったが、2010年6月には約7億2,000万インプレッションを記録し、1年間でトラフィックが約25倍 になったという。また、従来スマートフォンはビジネスユースとして使われてきたが、iPhoneの登場以降は活発にアプリケーションやWebを利用する パーソナルメディアとして、明らかに利用動向が違ってきていると藤沢氏は説明した。同社の調査では、iPhoneとAndroidともに男性ユーザーの比 率が高く、年齢層は30~40代が全体の50%という結果が出ているが、iPhoneユーザーはAndroidに比べて10~20代前半のユーザーや学生 のユーザーが増えてきており、2台持ちのユーザーだけでなく、メインのモバイル機器としてiPhoneを利用している人も増えているのだという。

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AdMobネットワーク・iPhoneユーザー簡易調査結果


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AdMobネットワーク・Androidユーザー簡易調査結果

では、スマートフォンに向けたマーケティング手法にはどのようなものがあるのだろうか。藤沢氏は「パソコンでできることはほとんどできる。音声や動画を使ったフレームワークも作成でき、電話機能や位置情報を使ったプロモーションも行える」と話した。

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スマートフォンマーケティングでできること

また、キャンペーンを行う場合は、まずスマートフォンに最適化したWebサイトを作ることが重要だと藤沢氏は説明した。もちろん、スマートフォンにはフル ブラウザが搭載されているが、藤沢氏が示した例では、スマートフォン用にユーザービリティを考慮したWebサイトを展開することで、1人あたりのPV、す なわち広告インプレッションは2倍以上にできるという。加えて、スマートフォン向けのアプリケーションを活用することで、ユーザーのすきま時間に入り込 み、さまざまな場面で情報を提供できるようになるため、パソコン向けのWebサイトだけの場合と比較し10倍近いインプレッションを得られるという。

ユーザーとのエンゲージメントを高めたいと考えるなら、スマートフォンを使うユーザーがいかに使いやすいかを考慮し、かつユーザーが本当にスマートフォンで使う機能を調査して、Webサイトもしくはアプリケーションに集約していくかが重要になる。

アドモブが行った米国での映画のキャンペーン事例では、映画の認知向上と公開前のバズ醸成を目的として、さまざまなモバイル端末向けにクロスプラット フォームで、TwitterやFacebook、iPhoneカレンダー機能、オンラインチケット情報などと連携するようにキャンペーンを展開していっ た。その結果、モバイル広告非接触者に比べてモバイル広告接触者は、自然想起で+26%、助成想起で+23%、広告認知で+69%、映画公開日認知 で+29%、映画鑑賞意欲で+39%の効果があったという。また、アドモブでは、オンライン広告全般とモバイル・スマートフォン上での広告効果の比較も 行っており、いずれもモバイル・スマートフォン上での広告効果のポイントが高いことを藤沢氏は示した。

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オンライン広告全般とモバイル・スマートフォン上の広告効果比較

「スマートフォン向けの広告は1画面に1つの広告しか出ない配信モデルがデファクトに近くなっているため、ユーザーの認知が“深い”広告ソリューションと なる」と語る藤沢氏は、「米国では理解が高く、さまざまな企業でスマートフォンマーケティングが行われているが、日本ではまだまだこれから。日本の市場を しっかりと調査して日本に適したスマートフォンマーケティングを行っていきたい」と話し、最後にスマートフォン向けのさまざまな広告クリエイティブのデモ を動画で紹介して、講演を終えた。

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