Web広告研究会、企業内のネット利用状況を調査「大企業の半数が動画共有サイトを視聴できず」
- 掲載日:2010年6月1日(火)
- 委員会・ワーキンググループ:コーポレートブランド委員会
2010年6月1日
社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会
Web広告研究会、企業内のネット利用状況を調査
大企業の半数が動画共有サイトを視聴できず
社団法人日本アドバタイザーズ協会Web 広告研究会(東京都中央区銀座、代表幹事:渡辺春樹)はこのほど、「第3回 企業内Web閲覧環境に関する調査」を実施しました。
この調査は、企業内でのWeb ページ閲覧環境の実際を知ることにより、先進技術を用いた情報発信が企業内閲覧者に対してどの程度到達可能であるか把握することを目的として、企業広報委員会が行ったものです。2005 年、2007年につづいて、今回が3回目の実施となります。
本調査により、ほとんどの企業においてWebページの閲覧が可能だが、62%の企業は何らかの
閲覧制限を行っており、企業規模が大きくなるほど厳しいことがわかりました、
今年度の調査から動画共有サイトやSNS等Webサービスの利用可能状況についても調査項目に加えたところ、YouTubeにおいては、企業全体で30%、5000人以上の大企業で51%が閲覧不可、ツイッターにおいては、企業全体で25%、5000人以上の大企業で38%が閲覧不可であることが明らかになりました。
ソーシャルメディアの普及とともに、企業が企業内個人に向けてインターネットで情報発信するケースがますます増える中、その表現方法については配慮する必要があるものと考えられます。
また今後のWeb 閲覧環境に関する予定/検討事項としては、「OSやブラウザのバージョンアップ」、
「PDFソフトのバージョンアップ」などを行う意向がうかがえました。
【調査概要】
調査対象: 日本アドバタイザーズ協会加盟企業及びWeb広告研究会加盟企業467社、
および官公庁102団体(省庁38、都道府県47、政令市17)を対象に実施。
調査方法: 郵送調査
調査期間: 2010年1月21日~2月19日
回収数: 169社(うち官公庁19団体)
【調査結果のポイント】
1. Web ページの閲覧について
(1) Web ページの閲覧が「各人のPC から可能」なのは95%。「特定PC からのみ可能」は2%。無回答を除く全ての企業でWeb ページの閲覧が可能であった。
(2) ただし、これら閲覧可能企業のうち、何らかの閲覧制限を62%の企業が行っている。具体的には、「ドメイン単位で実施」28%、「キーワード単位で実施」25%、「SSL (https:// )の制限」6%の順で多い。07年と比べると、Webページの閲覧制限の実施率は8ポイント減少した。
Web ページ閲覧に対するフィルタリングや閲覧制限<複数回答> *Web ページ閲覧可能企業ベース
2. 利用できるWebサービス
(1) 「個人ブログ」は80%以上の会社で利用可能であり、サービスにもよるがソーシャルメディアも80%近くで利用できる。動画共有サービスのうちユーチューブは70%程度の会社で閲覧可能である。
しかし、従業員規模が大きくなるに従い利用できるサービスは少なくなる。
5000人以上の会社では半数以上が動画共有サイトやSNSを利用できない。
社内で利用可能なWebサイトの閲覧、サービス<複数回答>
社内で閲覧可能なWebサイトの閲覧、サービス<複数回答>
3. ディスプレイの解像度
(1) 社内で最も多く利用されているディスプレイの解像度は、「XGA (1024×768)」36.1%、「SXGA(1280×1024) 」20.1%、「ワイドXGA(1280×768)」13.6%となっている。
4. メールの送受信について
(1) メールの送受信に対しては、7割程度の企業がフィルタリングや制限を行っている。07年と比べて7.7ポイント増加した。
(2) HTMLメールの受信については、07年と比べ「受信しそのまま表示することができる」の割合は減少した(55%→46%)。
また、規模が大きくなるほど「受信しそのまま表示することができる」会社の割合は小さくなる傾向にある。
HTML メールについての受信制限<単数回答>
5. 動画の視聴状況
(1) 「動画を見ることができ、音声も聴くことができる」会社が85%と多くの割合を占める。「動画は見られるが音声は聴けない」は3.6%に過ぎず、音声付きで視聴できる環境が主である。「動画は視聴できない」会社は8%にとどまる。
社内でもっとも多く利用されている動画の視聴状況<単数回答>
6. 今後1年くらいの間に実施を予定、検討していること
(1) 「OSをWindows7に替える」(30%)が最も多く、また「インターネットのブラウザをIE8.x、IE7.xに替える」(27%)も多い。
次いで「PDFソフトをバージョンアップする」(20%)、「メール送受信に対するフィルタリングや送信・受信制限を強化する」(18%)、「社内で共通に設定されているセキュリティレベルを上げる」(15%)などが多い。
今後、実施を予定、検討していること<複数回答>
【資料】Web広告研究会 について
Web広告研究会は、1999年4月、(社)日本広告主協会ディジタルメディア委員会内の研究会を母体として発足しました。 (注:日本広告主協会は現在、日本アドバタイザーズ協会に名称変更)
「インターネット広告に関わる全ての関係者の情報交流の場」として、インターネット上の広告展開における様々な課題について、広告主と関連企業・団体(広告会社、メディアレップ、媒体社、調査会社、システム提供会社など)が共通の場で研究活動を行うことにより、インターネット上の広告の健全な発展を促進することを目的としています。
定期的なフォーラム・セミナーの開催のほか、各種広告手法の効果実証実験、企業サイトのプロデュースの研究とその評価、個人情報保護問題への取り組み、ブロードバンド・モバイル環境の研究、 生活者のメディア接触変化の研究などの幅広い活動を9つの委員会と4つのプロジェクトで行っております。
構成は以下のとおり
<委員会>
・企業広報委員会 ・ネット・プロモーション委員会
・グローバル・ブランディング委員会 ・消費者メディア研究委員会
・モバイル委員会 ・調査委員会
・メディア委員会 ・サイトマネジメント委員会
・West Webマーケティング委員会
<プロジェクト>
・Webクリエーション・アウォードプロジェクト ・Webマーケティング年鑑プロジェクト
・Webプロデューサー育成プロジェクト ・FF (For The Future)プロジェクト
●会員社(2010年5月31日現在)269社
●代表幹事 渡辺春樹(株式会社ビービット)
●事務所 〒104-0061 東京都中央区銀座3-10-7銀座東和ビル8階
●ホームページ http://www.wab.ne.jp/
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