Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

2011年9月14日開催 Web広告研究会 第24回WABフォーラムレポート 第一部ソーシャルメディアとどのように向き合い、どのように活用するか プラットフォーマーの話を聞き、ソーシャルメディアの現状を紐解く(1) イベント報告

  • 掲載日:2011年10月12日(水)

【第24回WABフォーラムレポート第一部(1)】

ソーシャルメディアとどのように向き合い、どのように活用するか
プラットフォーマーの話を聞き、ソーシャルメディアの現状を紐解


社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会は2011年9月21日、東京都港区の八芳園で「第24回WABフォーラム」と「第9回Webクリエーション・アウォード贈賞式」を開催した。フォーラム第一部では、ソーシャルメディアのプラットフォームのmixiとTwitterからゲストを迎えてディスカッションを行い、第二部ではソーシャルメディアの現実について、広告らによるパネルディスカッションが行われ、未だ暗中模索の感があるソーシャルメディアマーケティングのヒントとなる議論が展開された。

新たな改革を進めるmixi、ついに日本法人を設立したTwitter


Web広告研究会
代表幹事
本間 充氏

フォーラム開会式では、Web広告研究会の代表幹事である本間充が挨拶に立ち、まずWeb広告研究会の成り立ちから活動内容について説明した。そのなかで本間は、「3月11日の大震災に関しても何かできないかと考えている」と話し、10月から12月の間に東日本を支援するようなプロジェクトを計画していることも明かしている。
続いて、今回の主題でもあるソーシャルメディアが生活に入り込み、企業のソーシャルメディアへの取り組みが新しいフェーズに入っていることを説き、そのためには新たな課題に向き合わなければならないことなどを話し、「ソーシャルメディアをやらなくてはと考えている会社も多いが、一番大事なことはお客様とどう対話していくかということ」と説明。「Web広告研究会にも多くの人の意見やフィードバックを聞かせてほしい」と話し、挨拶を終えた。
続いて第一部のパネルディスカッションへ移り、モデレータに株式会社デジタルインテリジェンス 代表取締役の横山隆治氏、パネリストに株式会社ミクシィの辻正隆氏とTwitter Japanの葉村真樹氏を迎え、「~日本2大ソーシャルプラットフォーマーに聞く~ これからのSocial Media活用」と題して議論が交わされた。
葉村氏は、渡米中のためSkypeを使っての参加ではあったが、mixiとTwitterという日本においても人気の高いソーシャルメディアのプラットフォーマーから直接話が聞ける非常に貴重な機会となった。


株式会社デジタルインテリジェンス
代表取締役
横山 隆治氏

最初に口を開いた横山氏も、mixiが次々と新たな改革を行っている一方で、Twitterは2011年4月に日本法人のTwitter Japan株式会社を設立したことに触れ、「非常によい機会に話しを聞くことができる」と話し、両社プラットフォームの最新ステータスをキャッチアップできるまたとない機会であることを強調した。そのため、ディスカッションを行う前に、辻氏と葉村氏がそれぞれ両社の現在の状況についてプレゼンが行われた。


企業が効率的にアピールできるmixiページ
関係性の高いコミュニティでの成功事例



株式会社ミクシィ
執行役員
メディア事業本部
本部長
辻 正隆氏

まず、辻氏はmixiのミッションが今年から「すべての人に心地のよいつながりを提供し、だれもが主役になれる世界を創造する」になったことを説明し、それに合わせてロゴも変更したと話した。また、現在約2,400万人がmixiに登録し、国内の20代男女の約75%が登録していることや毎月1,500万人がログインしているなどの概要も説明していく。
新たにサービスとしては、2011年8月31日リリースのソーシャルページサービス「mixiページ」を紹介。mixiページは、パブリックな情報発信や交流、多彩なソーシャル連携機能、簡単な開設が可能といった特徴があり、企業や有名人、個人の趣味のページまでソーシャル化が手軽に行えるものだ。辻氏は、リリース後1週間で10万ページが開設されたことを明かし、これをもとに「広告の誘導や新たなマーケティングを行っていきたい」と話した。

また、ソーシャルバナー広告の事例として、2011年6月に行ったオリジナルシューズをカスタマイズして友人(マイミク)に紹介できるナイキの「NIKEiD. FRIEND STUDIO」を紹介。21日間で213万人の来訪者があり、そのなかの80%が友人経由で来訪したと説明したうえで、NIKEiD.の日本における規模は従来、米国の1/10であったが、非常に多くの反響があり、キャンペーン期間中は米国を上回る規模になったことを明かした。このキャンペーンでは、mixiの友人とのコミュニケーションという特性が活かされ、NIKEiD.のシューズを自分用としてだけでなく、友人への贈り物として購入した人が約4割を占めたという。
続いて辻氏は、ユニリーバ・ジャパンのソーシャルラジオの事例も紹介。radikoのAPIを活用し、若い学生が聞く東京FMの「SCHOOL OF LOCK!」という番組と連携し、マイミクと一緒に番組に参加できる企画を行い、26日間で130万人以上の来訪者を得ることができたという。

このユニリーバ・ジャパンの事例では、Twitterでツイートできるボタンなども用意された。これについて辻氏は、「mixiの友人内で楽しんで、それをTwitterのフォロワーに広めるようにした。相乗効果で、Twitterユーザーも取り込んでいける。今後は、このような使い分けが重要となってくる」と説明した。

最後に辻氏は、「ソーシャルネット時代の消費行動モデルは、クチコミによって認知が上がり、共感を呼ぶことで行動が生まれる。これは、NIKEiDの事例でも証明されたと思うが、より深い事例を追求していきたいと考えている」と話し、mixiの現在の状況の説明を終えた。

(次ページ)第24回WABフォーラムレポート第一部(2)