Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

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第一回東北セミナーレポート(3)「対決!アクセス解析サービス頂上決戦! Googleアナリティクスとどう違うの? 有料ツールを使う意義 」 イベント報告

  • 掲載日:2011年12月14日(水)


アクセス解析を本気で始めたいなら
どのような製品を選べばよいか

第三部は、「対決!アクセス解析サービス頂上決戦! Googleアナリティクスとどう違うの? 有料ツールを使う意義」と題され、モデレーターの株式会社インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長の安田英久氏をはじめ、主要なアクセス解析ツールを提供している会社から6名がパネリストとして参加した。


株式会社インプレスビジネスメディア 安田 英久 氏
株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum編集長
安田 英久氏

最初に安田氏は、「今日のセミナーは、ソーシャルメディアの話題が多いが、ソーシャルメディアを活用するにもデータ分析が必要で、ソーシャルメディアだけで物事が解決するわけではなく、その先の企業サイトやECサイトとの連携も必要となってくる。これらのデータ分析は企業にとって必須となっており、Web担当者Forumのイベントでもアクセス解析に対する注目度や興味は非常に高くなってきている。今回のセミナーでも、少しでもアクセス解析を理解してもらえればと思う」と話す。



参加した6社が提供するサービスの特徴


株式会社キーポート・ソリューションズ 赤峰 直樹 氏
株式会社キーポート・ソリューションズ
赤峰 直樹氏

安田氏の挨拶の後は、パネリストが各々のツールの特徴を説明していく。まず、株式会社キーポート・ソリューションズの赤峰直樹氏が、ログファイル型の「SiteTracker(サイトトラッカー)」について、このツールのメリットは、HTMLにアクセス解析用のタグを貼る必要がなく、制作者などの手間が省けることだと説明する。また、ログファイルを利用するため、解析ツール導入前のサイトのデータ分析も行える点も大きな特徴だ。外部サーバーにデータを出せない金融業界や官公庁などでの利用、イントラネットなどでの利用に適していることもログファイル型の特徴だという。さらに、会員情報や商品情報などを取り込んだ分析や詳細なレポート出力なども可能だ。


オーリック・システムズ株式会社 杉浦 義宏 氏
オーリック・システムズ株式会社
杉浦 義宏氏

続いてオーリック・システムズ株式会社の杉浦義宏氏が「RTmetrics(アールティーメトリックス)」の特徴を説明。パケットキャプチャ型のRTmetricsもタグを貼る必要がなく、リアルタイムの分析に強いという特徴を持つ。また、数十秒から数分前のデータも取得でき、広告やテレビCMからのウェブサイトへの誘導効果をすぐに知ることができるのも特徴だ。パケット(通信データ)をまとめて取得して解析するため、従来の携帯電話(ガラケー)やスマートフォンからのアクセスをPCと同じ環境で記録でき、一括して解析できることから端末ごとの比較なども容易だという。また、サイト訪問者の全データを格納してデータマイニングするというような利用も可能だ。


株式会社デジタルフォレスト 冨 洋一 氏
株式会社デジタルフォレスト
冨 洋一氏

「Visionalist(ビジョナリスト)」を提供している株式会社デジタルフォレストの冨洋一氏は、まずGoogleアナリティクスとの比較について話し、「まず無料で解析することを試してアクセス解析を文化として定着させたいというのがGoogleアナリティクスのユーザーで、トレンドをウォッチしたり日々の動きを見るだけならGoogleアナリティクスで十分だと思う。しかし、サイトに何か問題が発生していてそれを解決したいという場合には有料ツールを使ったほうがよく、それぞれの課題に応じて特徴の異なる製品を選ぶことになる」と説明する。Visionalistは、モバイルサイトに強く、訪問者ベースで分析していけることも大きな特徴だという。また、国産ツールならではのサポートも強みの1つだ。


株式会社アクティブコア 安藤 洋介 氏
株式会社アクティブコア
安藤 洋介氏

株式会社アクティブコアが提供する「ac cruiser(エーシークルーザー)」については、安藤洋介氏がPC、モバイル、スマートフォンからのアクセスを解析でき、広告効果測定や売上貢献度分析なども行えると、特徴を説明する。何度目の訪問で購入に至ったのか、訪問のきっかけとなった広告やキーワードは何か、意思決定のきっかけとなったページは何かなど、履歴を使ってユーザーの行動分析を行うことも可能だ。最近注目を集めているアトリビューション分析(間接効果分析)を以前から取り入れている実績もある。また、同社のターゲッティングやレコメンドなどのツールとの連携や基幹システムとの連携も可能だ。


トランスコスモス株式会社 松田 恵利子 氏
トランスコスモス株式会社
松田 恵利子氏

トランスコスモス株式会社の「Coremetrics(コアメトリクス)」について、松田恵利子氏はアトリビューション分析や個別ユーザー追跡に強いアクセス解析ツールだと話す。セッションやデバイスをまたがった場合でもユーザーを個別に特定して解析できるという。特にECサイトに強いツールであり、データをもとにしたメール配信や、外部の広告配信システムとの連携など、外部連携を行えることもGoogleアナリティクスとの違いだと松田氏は説明する。


株式会社ロックオン 一木 稔人 氏
株式会社ロックオン
一木 稔人氏

最後に説明するのは、「AD EBiS(アドエビス)」を提供する株式会社ロックオンの一木稔人氏だ。AD EBiSは広告効果測定に特化したツールで、アクセス解析ツールの「LOGエビス」と連携させて利用する。ストレートに広告効果を知りたいというユーザーに向いているツールだ。また一木氏は、Googleアナリティクスではベンダーとのやりとりがさほど期待できないが、有料ツールはサポートも含めて相談もでき、取りたい数値に合わせた設定ができる点が異なると説明している。



目的を明確にしてツールを使いこなす


Googleアナリティクスと有料ツールの比較については、サポートの有無が最も大きな意見として聞かれた。Googleアナリティクスは無償でありながら多機能ではあるが、使い方がわからなければデータを分析することもできない。また、一方で単なる会社情報を掲載するだけのコーポレートサイトであれば有料ツールを使う必要はなく、Googleアナリティクスで十分だという意見も聞かれた。ある程度の分析を自分で行え、理解しながらマーケティングに役立てられる場合は無料のGoogleアナリティクスでも十分だろう。

現状では、分析や対策の相談やサポートを受けたり、レコメンドやデータマイニングなどの外部連携で高度なシステムを構築する場合は有料ツールを使うといったように、マーケティング担当者の利用目的やレベルによってすみ分けがされていると言える。

(C) 社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 2011
この記事は上記クレジット記載の上、二次利用が可能です


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