Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

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「データで見る国内スマートフォンの現状~その2~」 
2011年12月13日開催 Web広告研究会セミナー:「スマートフォンをマーケティングに活用するため~データと事例から、ユーザー像と活用ポイントを探る~」レポート  イベント報告

  • 掲載日:2012年1月17日(火)


スマートフォンの普及で変化する ユーザーの閲覧行動と年齢層の広がり


続いて森氏が、2011年9月に電通が実施したスマートフォンユーザーの特性についての調査結果をもとに講演を開始した。


 
株式会社電通
コミュニケーション・デザイン・センター
プロデューサー
森 直樹氏


まず、保有端末による特性の違いについて、いずれの端末でも最新のOSにしている人が半数を超えず、約2割以上がOSのバージョンを知らないという結果が示された。これについて森氏は「アプリを使って生活者とコミュニケーションを取る場合、多くの人を対象にするのか、ある程度リテラシーの高いユーザーに絞るのかによって、OSのバージョンを考慮する必要がある」と説明している。

その他にも、端末保有台数に関しては1台持ちの比率が高くなっており、スマートフォンで必要な機能を使いこなしていると感じている人は5割強といったデータも公表された。また、スマートフォンの満足度はiPhoneのほうがAndroid端末よりも高い数値となっているが、Android端末の最新機種では満足度が高くなっているので、今後はその差がなくなってくると分析している。さらに、1台持ちの比率に関して説明を加える森氏は、2009年8月から始まった本調査の開始時点では、1台持ちと他の機種との併用が48.2:51.8だったのに対して、今回の調査では75.3:24.7となったことから、2年間でスマートフォンを1台持ちにしているユーザーが増えている実態も示した。

利用歴については、Android端末は2011年に入って非常に売れてきたため、1年未満のユーザーが大半で、6ヶ月未満が6割以上、それに対してiPhoneは1年から1年半のユーザーが多いという結果となっている。ただし、iPhoneの売れ行きが下がっているわけではないので、1年未満のユーザーも多く、安定した利用期間分布であることもわかった。

前述の「使いこなし」について、「使いこなせていないユーザーは、アプリのダウンロード率や利用率が低い」と話す森氏は、OS別・性年代別にブレイクダウンして「使いこなし」の実態を明らかにする。iPhoneの場合は、6割以上のユーザーが必要な機能を使いこなせているとしているが、F2層以上(35歳以上女性)の55%は使いこなせていないという結果となった。また、Android端末は、利用歴が低いためiPhoneと比べると使いこなしているユーザーが5割で若干低く、iPhoneと同様にF2層以上は使いこなせていないユーザーが多い。

両端末の性年代分布では、約4割を女性が占めるようになってきており、特に20~30代女性が全ユーザーの約2割を占めている。また、一方で40~50代男性も約2割を占めている。これについて森氏は、「これまでモバイルはティーンやF1層、主婦に情報を届けるのに有効とされてきたが、スマートフォンの場合はこれまでモバイルでは接触しづらかったM2層(35歳以上男性)以上も入ってきていることが特徴的」と話す。また、職業別では2009年8月には6%程度しかいなかった学生が17.9%と増えてきているのも最近の傾向だ。学生のうちの65%が大学生となっており、就職活動にスマートフォンを活用している現状が見て取れる。

 
iPhoneおよびAndroid端末の利用者層はF1・M1層が主流に

続いて、24時間インターネットを使い、コミュニケーションを行っている実態を森氏は、次のような数値を示して説明した。これにより、スマートフォンでネットサーフィンすることが多くなり、テレビを見ながらPCの代わりにスマートフォンで検索なども行い、寝室にも持ち込んで寝る前まで利用しているという実態が明らかとなっている。

 
スマートフォンの利用シーン
左の数字はiPhoneユーザー、かっこ内の数字はAndroid端末ユーザー


普段利用している機能については、写真、アプリ、GPS、動画、SNSが多い。また、フィーチャーフォン(ガラケー)からスマートフォンに変えてから圧倒的にネットサーフィンと検索の機会が増えており、M2層の7割がモバイル検索を使い、5割がネット利用しているという。また、PCの利用度がガラケーユーザーよりも低くなってきており、PCからスマートフォンへ利用が移行していることも浮き彫りとなっている。さらに森氏は、スマートフォンユーザーはガラケーユーザーと比較して情報感度が高く、消費に前向きであるというデータも示した。

iPhoneでFacebookとTwitterを利用するユーザーを対象に行ったソーシャルメディアの利用調査では、iPhoneだけでTwitterにアクセスしているユーザーは全体の49%で、PCのみで利用(8%)やPCとiPhoneの利用(43%)よりも高い数値となっている。iPhoneのみでミニブログやSNSの閲覧を行っているユーザーも約60%となっており、森氏は「ソーシャルでのキャンペーンやコミュニケーションをスマートフォンユーザーに行う場合は、スマートフォンのみでアクセスしている人がこれだけいるということを念頭に置きながら情報設計する必要がある」と話す。また、スマートフォンユーザー全体の33%がテレビを見ながらスマートフォンを利用し、14%がテレビ番組の話題をスマートフォンでツイートしているという結果も明かされた。

最後に森氏は、次の4つのポイントをまとめ、第一部講演を終了した。

 

  1.  スマートフォンの普及がネット閲覧スタイルを変える
  2.  アプリも重要だがブラウザ対応も重要で、特に検索対応が重要
  3.  ソーシャルメディアとスマートフォンの相性は非常に良い
  4.  従来のモバイルターゲットであるティーンやF1層に加えてM1・M2層が積極的に活用している