「企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果」4月21日Webグランプリフォーラムレポート1 イベント報告
- 掲載日:2014年6月23日(月)
企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果
広報・顧客対応・プロモーションなど、さまざまな目的で運用される企業サイト。そんな企業サイト運用の裏側をWeb担当者が語る「Webグランプリフォーラム」をWeb広告研究会が4月21日開催した。フォーラムでは、2013年に開催した「第1回Webグランプリ」の企業グランプリ部門を受賞したサイトの担当者が、企画・運用体制・成果などを明かした。
一般ユーザーの企業イメージ・認知向上へ
読ませるWeb漫画で抗体医薬をより広く知ってもらう
新抗体物語(協和発酵キリン株式会社)
企業グランプリ部門 プロモーションサイト賞 優秀賞
http://www.kyowa-kirin.co.jp/shin_koutai/
協和発酵キリン株式会社
コーポレートコミュニケーション部
PRグループ
佐藤 有香氏
協和発酵キリンは、2008年に協和発酵工業とキリンファーマが合併して設立された、医療用医薬品の製造・販売会社だ。
しかし、佐藤氏が「お酒の会社と思われることが多い」と言うように、医療用医薬品の会社だという認知が低いというのが同社の課題だった(日経リサーチの企業イメージ調査より)。また、競合他社よりも社名認知が低く、同社の強みである「抗体医薬品」のイメージが定着していないことも課題となっていた。
抗体医薬品の会社であるというアピールや抗体の説明は、従来のWebコンテンツでも行っていたが、専門的で一般の人にはわかりづらいものだった。そこで、協和発酵キリンでは抗体医薬の認知向上を目的としたWebコンテンツの展開を考え、一般ユーザーに広く知ってもらうためのコンテンツとして生まれたのが、現在も連載を続けるオリジナルのWeb漫画「新抗体物語」だ
「学習系の解説漫画は、吹き出しの文章が長く、絵やストーリーがおもしろくなくなってしまう。説明調で内容が難しくなることに注意したかった」と話す佐藤氏は、ストーリーやおもしろさを追及するために、医療現場を描くことで有名な漫画家、こしのりょう氏に漫画の制作を依頼したと説明。2013年6月から企業サイトで「新抗体物語」の連載を始め、プロローグをスペシャルサイトに公開することで、ユーザーを誘導した。
スペシャルサイトで公開したプロローグ(現在はコーポレートサイトに移動)は、音声付きの動画として公開したのも特徴だ。キャストには人気声優を起用し、登場人物の声をユーザーが組み合わせて8パターンから選べるようになっている。声優のファンが興味を持ち、コンテンツが話題を集めるような施策にすることで、ニュースサイトやソーシャルメディアでも話題になったという。
Web漫画の公開後の認知度調査では、「新抗体物語」を知っている人の抗体医薬の認知は90%以上となり、免疫/抗体の理解度についての視聴者アンケートでも「とてもよく理解できた」と「理解できた」の合計が90%に達するなど、認知度向上の効果を得ている。
Webグランプリの審査員からも、「難しい話も漫画ならわかりやすい」などの高評価が得られた。一方で、スペシャルサイトが重いなどの課題も指摘された。また、「新抗体物語」の存在自体を知らないユーザーも多く、佐藤氏は今後の課題としてPR施策を再検討する必要があるとし、最後に「新抗体物語は2ndシーズンに入っており、主人公が米国でバイオベンチャーを起業している。みなさんもお時間があれば、ぜひ読んでみてほしい」と話した。