Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

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「企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果」4月21日Webグランプリフォーラムレポート2 イベント報告

  • 掲載日:2014年6月24日(火)

企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果

広報・顧客対応・プロモーションなど、さまざまな目的で運用される企業サイト。そんな企業サイト運用の裏側をWeb担当者が語る「Webグランプリフォーラム」をWeb広告研究会が4月21日開催した。フォーラムでは、2013年に開催した「第1回Webグランプリ」の企業グランプリ部門を受賞したサイトの担当者が、企画・運用体制・成果などを明かした。

パララックス効果で南極の魅力の表現と、読みやすさを両立
社員の士気を高めながら情報発信力を強化

from 五大陸特別編「from南極」(三菱電機株式会社)
企業グランプリ部門 企業サイト賞 優秀賞/浅川賞 優秀賞

http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/antarctica/


三菱電機株式会社
宣伝部
コーポレートコミュニケーショングループ
宮崎 泰宏氏

 三菱電機では、「from ME」というエンターテインメントサイトを2011年6月から展開しており、企業情報力の発信強化の一環として「テクノロジー」「エコロジー」「プロモーション」「人と歴史」「宇宙」の5つのカテゴリでコンテンツを提供している。また、グループ社員の士気向上や社外に向けた企業プレゼンスの向上を担うオウンドメディアでもあるという。

そのなかでも、企業サイト賞を受賞した「from南極」は、新卒採用学生向けに世界各地で働く社員の仕事と日常をつづったブログコンテンツ「from五大陸」の特別編としてfrom MEで企画されたものだ。宮崎氏は「五大陸と名付けた企画なのに、南極大陸を忘れていたため、南極に派遣された社員のコンテンツを作ろうと考えた」ことがスタートのきっかけだったと話す。

from南極は、国家プロジェクトである南極大気観測レーダー(PANSY)建設計画への技術協力で派遣された2人の社員にスポットを当てて、2013年9月17日に公開された。南極のさまざまな魅力を伝えながら、同社の仕事領域の幅広さや技術力、環境保全への貢献などを広く認知してもらい、さらなる情報発信の強化につなげることが目的だ。

コンテンツは社員が撮影した現地の写真を中心に、インタビューなどで非日常のリアルな体験談で壮大なスケール感を表現するほか、構成内容に注意を払いながら、デザイン性や見やすさなどのアクセシビリティが追究されている。

「fromMEのコンテンツを分析すると、業務向けのシリアスな表現で説明的な訴求を行っているものが多い。技術力をわかってもらいたいためには必要なことだが、from南極はそれらのコンテンツを読むキッカケとなるように、視覚的訴求で一般にもわかりやすいキャッチーな表現にしたかった」(宮崎氏)


ユーザーの啓蒙ステップ

宮崎氏は、コンテンツ制作で工夫した点として、長い文章を読んでも飽きないようにパララックスエフェクトを採用したと説明する。南極の写真の美しさを表現しつつ、インタビュー文章をスクロールして読みやすいように工夫されている。

また、グローバルナビゲーションを上部に固定し、記事の途中でも他のページに移動できるようにした。ページの右側には固定メニューを設置し、現在どのあたりを読んでいるかがわかるような工夫も行われている。

メディア展開は、新聞広告とWeb(Facebookなど)を中心に環境やエコを企業広告で訴求し、一気通貫でグローバル環境先進企業のイメージ推進活動を行った。また、Webグランプリ受賞が告知された11月には、非常にアクセスが伸びたという。

メディア展開の概要

from南極について宮崎氏は、「興味を引くテーマで、伝えるべきことを、見やすく、わかりやすく作ったことがすべて」と話す。南極という未開の極地であるテーマが単純に読者の興味を引き、めったに見られない写真の魅力、リアルさ、スケール感を、見やすく表現できたことが成功につながったという。

閲覧者の評価としては、社内外で幅広い業務を行っていることの認知につながり、狙い通りの評価を得られているという。また、Webグランプリの審査員コメントも全体的に肯定的な意見が多く、良好であったと話す宮崎氏は、「これからも見やすさともしろさの両立を心がけて、より良いサイト作りを追究していく」と話した。