Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

「企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果」4月21日Webグランプリフォーラムレポート5 イベント報告

  • 掲載日:2014年6月27日(金)

企業サイト・動画・Facebookの運用ノウハウを6社が公開、Webグランプリ受賞者が話すWebサイト施策の目的と効果

広報・顧客対応・プロモーションなど、さまざまな目的で運用される企業サイト。そんな企業サイト運用の裏側をWeb担当者が語る「Webグランプリフォーラム」をWeb広告研究会が4月21日開催した。フォーラムでは、2013年に開催した「第1回Webグランプリ」の企業グランプリ部門を受賞したサイトの担当者が、企画・運用体制・成果などを明かした。

“ステキ”と感じるブランドサイトへ
星をテーマに企業理念や環境技術への取り組みを訴求

「見上げるプロジェクト」(三菱自動車工業株式会社)
企業グランプリ部門 プロモーションサイト賞 グランプリ

http://www.mitsubishi-motors.com/jp/events/star/


三菱自動車工業株式会社
広報部
コミュニケーションGr.
瀧川 豊氏

三菱自動車工業の「見上げるプロジェクト」は、星空を見上げる人々の想いや体験をとおして、これからのクルマ・人・地球について考えていくプロジェクトだ。

見上げるプロジェクトのきっかけは、2012年に発表された乗用車「アウトランダーPHEV」にある。発売に合わせて新しく発表されることが決まっていた、技術キーワード「@earth TECHNOLOGY」をアピールするブランディングサイトとして企画された。
そうしたなか、日英対応しているグローバルサイトの新コンテンツとして、2013年2月に星をテーマにした「☆企画」が立ち上がったと瀧川氏は話す。

「遠くに行きたくなるクルマが三菱自動車工業ではないかと考え、サイトも遠くに行きたくなることをコンセプトとし、掲載情報にMAPをつけるなど配慮している」(瀧川氏)

@earth TECHNOLOGYには、「地球」という言葉がメッセージとして使われている。三菱自動車がかつて持っていたブランドイメージ、「RVの三菱」というアウトドアのイメージと、地球環境に配慮しながらこれらからのクルマ・人・地球の100年に挑戦し続けたいという企業メッセージ。その両方を、星を通じて訴求していきたいという思いが「☆企画」のコンセプトだ。

見上げるプロジェクトのサイトが公開されたのは、2014年7月。同年3月に「企業イメージ向上サイト」の名称で社内承認・予算申請、4月にWeb制作会社のコンペ実施と、企画立ち上げから約半年でティザーサイトおよび正式公開という動きで進められた。

「☆企画」のコンペでは、「耳をすまして、星と語ろう。」というキャッチコピーを添えたイメージ画像を示しながら、企画の内容を伝えたと瀧川氏は話す。キービジュアルには、満天の星が広がる写真を使い、星空の下にはアウトドアでテントに電気を供給しているPHEVが写り、電気自動車の静かさもアピールしている。

「耳をすまして、星と語ろう。」がWebサイトの企画コンセプト

その後、見上げるプロジェクトは8月に英語版を公開し、11月にはキャンペーンツール「モニプラ」を使ったFacebookキャンペーンを実施している。

Webグランプリの審査員からのコメントで「サイトの目的をもっとアピールしたほうがよい」という意見があったという瀧川氏は、面の左上に別ページで掲載していた「見上げるプロジェクトとは」というコンテンツを、トップページのメッセージとしても掲載するように改善したという。

企業イメージを向上させてファンを増やし、長く続ける施策とすることが目的の見上げるプロジェクトだが、2014年2月に行ったWeb調査では、サイト閲覧後に企業への好意度が向上した。星や宇宙が好きな人が意外に多いことが要因の1つだと考えられている。また、サイトのデザインやセンスが良いとの評価も高かったことから、サイトを見て「ステキ」だと感じてもらえているとの結果も得られた。
調査結果から、サイト閲覧数を増やすことが企業イメージの向上につながるという結果が得られたが、「これらの結果をただ伝えただけでは、会社に納得してもらえず、効果を実感してもらえなかった」と瀧川氏は説明する。

現状の企業イメージに対して、どのような効果があるかを説明する必要があると考えた瀧川氏は、企業イメージとして不足しているものをサイトで補完できていることや、年代や性差のギャップを、幅広い人が興味を持つ星というテーマで底上げできることを説明したという。また、「ステキ」という評価から広告に注目が集まり、商品ページへの送客ができるとアピールした。

最後に瀧川氏は、「会社としては、SNS対応が今後の課題。引き続き、見上げるプロジェクトを担当しながらSNS施策との連携なども考えていきたい」と今後の展開を話し、講演を締めくくった。