Digital Marketing Institute | デジタルマーケティング研究機構

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有名サイトのWeb担当者6人が明かした成果・運用の舞台裏――2016年度Webグランプリフォーラム 第2部 イベント報告

  • 掲載日:2017年4月11日(火)
  • 委員会・ワーキンググループ:Webグランプリプロジェクト

浅川賞(アクセシビリティ)グランプリ受賞――NEC
グローバル市場での企業価値向上に向けたブランドサイト


NEC Vision for Social Value Creation
http://jpn.nec.com/profile/vision/


日本電気株式会社
高嶋 浩一 氏

NECが2014年に立ち上げた「NEC Vision for Social Value Creation」(以下、NEC Visionサイト)は、NECグループの考えや取り組みを発信する情報サイトだ。ブランドステートメント「Orchestrating a brighter world」掲げ、社会価値創造型企業として情報を発信し、グローバル市場でのブランド価値向上に取り組んでいる。

また、冊子の「NEC Vision Book」を発行しており、冊子や検索エンジンからNEC Visionサイトに流入させ、各事業のサイトへ誘導するハブ的な機能を持っている。

NEC Visionサイトと冊子のコンテンツは、「グローバルメガトレンド」「NECが目指す社会価値創造」「テクノロジービジョン」「お客様とともに創る未来」の4つで構成される。2050年の地球の姿を紹介したメガトレンド、NECが目指す7つの社会価値創造テーマとそれに関連する読み物コンテンツ、社会価値創造レポート、ケーススタディなどを掲載している。

NECグループは、グローバル企業であるため多言語でサイトを運営している。NEC Visionサイトは日本語と英語(グローバル)の1対1でコンテンツを用意し、ボタンで切り替えることができる。今後さらに対応言語を増やしていく予定だ。

NEC Visionサイトのアクセス比率は、PCが71%、モバイルが29%となっており、学校法人からのアクセスが多いという。リファラーは、ブックマークや直接入力のノーリファラー(参照元不明)を除くと、検索エンジンからの流入が多く、SEOやアクセシビリティの取り組みが検索エンジンからの流入につながっていると高嶋氏は分析する。

90年代からアクセシビリティに取り組み続ける

グランプリを受賞したWebアクセシビリティの取り組みについて、「平等」と「公平」の違いを意識していると高嶋氏は説明する。利用者全員に対して同じ踏み台を用意するのではなく、それぞれに合わせて踏み台の高さを変えるという考え方だ。

公正なアクセシビリティを意識


Webサイトがアクセシビリティに対応するメリットとして、高嶋氏は「コンタクトポイントの拡大」「CSR強化とブランド向上」「SEO強化」を挙げる。NECでは、NECの公式サイトを立ち上げた1994年からアクセシビリティを意識しており、2000年からはWebアクセシビリティに本格的に取り組み、ガイドラインの作成やテンプレートの開発をしてきたという。

現在は各部門にWebの責任者を置き、定期的にミーティングを行うことで情報を共有し、マニュアルを整備したり、グローバルヘルプデスクが支援したりすることで、アクセシビリティを推進している。

NECグループのWebサイト運営体制


これらの活動によって、NECの各サイトは2011年や2012年の企業ウェブグランプリ(現在のWebグランプリの前身)でも浅川賞を受賞してきたと話す高嶋氏は、今回のグランプリ受賞もNECのWebサイト全体が評価された結果だと説明する。

今後は、サイトの利用者を意識したコンテンツによってブランド価値向上を図り、「社会価値を調べるならNEC Visionサイト」といわれるようなオーソリティサイトを目指すことが目標だという。講演の最後、高嶋氏は「Webアクセシビリティは、0か1の対応ではなく、できることから地道に積み重ねることで成果や評価につながる」と話した。




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