インターネットはパソコンユーザーの一部の人の特別なツールであった時代から、ビジネスや日常生活の中で必要不可欠な身近な媒体として浸透し、今や生活に欠かせないツールとなっている。2003年秋のWABフォーラムでの、インターネットもマス媒体の一角に入ったという「マス5媒体宣言」以降、着実に実力を増してきた。世の中のデジタル化が進む中で、インターネットの活用は企業活動のあらゆる分野に拡大し、企業の存在価値を消費者に認めてもらうためのスーパー・ツールとして大きな存在となってきている。高度情報社会が益々進む中で、インターネットの活用が企業活動のキーファクターとなったことを踏まえて、ここに「Webマーケティング　セカンドステージ」の開幕を宣言する。

●証言1．使い放題のブロードバンド・ネット接続環境の拡大（ユーザー環境の進化）

大容量化と定額＆低価格化の浸透、それに対応したPCや3G携帯の高機能化が進み、接続上のストレスの減少と常時接続などインターネットを取り巻く環境が整備された。2004年のWeb研調査では、22時台のウエッブ利用者は400万人を突破し、90%はブロードバンド環境という結果が出ている。（※1）

●証言2．ネット活用による成功体験の拡大により企業内での認識向上（出稿側の環境が成熟）

インターネットを単なるメディアミックスのツールの一つとして主に広報や宣伝で活用していた時代から、企業や商品のブランディング、各種プロモーションからダイレクト販売まで、 企業のマーケティング活動全般という幅広い分野で活用される時代になってきた。特に、茶の間へのネット普及で、多くの製品・サービスの購買プロセスに影響していることが明確になり訴求メディアとしてばかりでなく、マーケットリサーチへの応用など、多様な利用形態の模索が始まった。2004年度のネット広告費は53.3%増と大幅に拡大（※2）

●証言3．広告主も含めたネット広告業界全体の人材のスキルの向上（人材の質の向上）

企業内におけるインターネットに関係する部署が経験を積み、活用できる人材が育ってきた。2004年Web研調査では114社の54%が「ホームページへの社内評価や重要性認識が去年より高まった」と答えている。（※3）また、企業のブランド創りやCSRの発信、ガバナンスと個人情報保護体制の整備など、より高次のレベルへの移行も始まった。同時に、それに対応した広告/マーケティング会社の提案力や媒体＆クリエーティブの質の向上が急速に進み、より効果的な活用や高度な活用が出来る素地が整った。

●証言4．ユーザー参加型のコミュニティが広がってきた（新たなネット活用方法の出現）

これまでの企業からの一方的な情報発信型から脱却した、ユーザーとの双方向のやりとりで豊かなコミュニケーションを実現しているサイトも増えてきた。最近では、ブログやコミュニティ企画を組み合わせた立体的なユーザー参加型の企業サイトも話題になっている。今後はユーザーと企業との間でコラボレーションから新たなビジネスやサイトの価値が生まれることが期待される。

●証言 5．さらに広がるネットの未来（新サービスが続々出現）

本格的なユビキタス時代の到来の予感が社会の隅々に空気のように満ち溢れている。PCや携帯を超えてTVやラジオ、家電やクルマまでもが高速ネットにつながる時代が現実化してきた。これらのマーケティング活用はまだ未知の領域だが、2次元バーコードの活用範囲の拡大やお財布ケータイの出現、携帯とデジタルTVの実験などが示唆している、誰も知らない未来。それは、もう始まっている。

• ※1：Web広告研究会「ブロードバンド時代の視聴行動調査2004」より
• ※2：インターネット広告費1814億円（対前年比153.3%）電通「日本の広告費」より
• ※3：Web交告研究会「企業ホームページ運営状況調査2004」より