「アナログ」から本格的「デジタル」時代へ

黒船の来航によって鎖国が終わり、文明開化の名の元に明治が始まった。
この変化は、交通インフラの整備が、新しい物質文明と生活意識を育てたものといえます。
インターネットの進展と共に「アナログ時代」から本格的な「デジタル時代」に切り替わろうとしている現在、
まさにこうした「インフラ」の整備が、新しい「技術」を生み、その上で新しい「知恵や文化」が根付いていく
“時代の転換期”に、我々はいることを実感します。
インターネットのブロードバンド化と放送のデジタル化は産業としてのメディア構造を変えるだけでなく
多様なデジタル機器の急速な普及によって、人々の情報の接触機会と入手経路にも大きな変化がおこります。
こうした状況の中で、我々は何を考え、行動していけばいいのでしょうか。
 

●宣言１．「デジタル」化がもたらすメディアのお客様志向時代
（CSとは、customer satisfaction）の幕開け

デジタル化により多チャンネル、多機能が可能となるが、
一方でユーザー（消費者）のメディア選択は限られた生活時間の中でより一層厳しくなる。
送り手の自己満足や、刺激的なメッセージで注目を集めることに奔走するのではなく、
インターネットを含む各メディアは、「お客様」の多様なニーズにどのように対応しているか
自らに厳しく問うべきである。
 

●宣言２．「デジタル・インタラクティブ」で新たなサービス形態を構想する

デジタル・メディアの最大の機能特性は「インタラクション」にある。
従来からのリアルなサービスや施策との関係を考慮して、
ユーザビリティーを踏まえた、よりきめ細かなコミュニケーションや機能を付加する努力が必要である。
まずは、お客様８消費者）の生活をより便利で快適かつ豊かにすることに奉仕する意識がメディアには求められる。
 

●宣言３．「デジタル・ボーダレス」で新たな情報提供スタイルを推進する

デジタル・メディアは旧来の個々のメディアの境界や国境までも取り外し
生活空間全体を、新しいメディア空間に変えていく力を持っている。
ホットスポット、無線LAN、PDA、高機能携帯電話など「ユビキタスメディア」の普及により出現する、
時間と空間を超越した新たなメディア空間、そして新たなマーケットに
適合する新しい発想が求められる。
 

●宣言４．「デジタル・コンテンツ」開発・流通の基盤整備を

「デジタル・コンテンツ」すなわち「動画」と短絡してはいけない。
この新しい多様性のあるメディア空間では、多様なコンテンツ開発の可能性がある。
多様でかつ大量のコンテンツが存在してこそインフラの優位性は発揮される。
その為には、旧来の枠組みに根ざした制約や、短期的な利益追求によって可能性の芽を摘み取ることなく
関係する業界全体でのコンテンツの量と質の向上基盤を築かなければならない。
 

●宣言５．「デジタル」を活かすための人材の育成を

日進月歩で新しい技術やサービスが進化していく現状では、最先端をキャッチアップすることに忙殺され、
本当に必要なものはなにかを見失ってしまう危険性がある。
このデジタル環境を、本当に我々の未来のために活かすために
この変化の本質を認識し、「判断力」をもって様々な技術やコンテンツをプロデュースすることができる
「人材の育成」に関係業界全体で取り組んでいく必要がある。